仮想ホストの nginx 設定を調整する

デフォルトで、Apache ウェブサーバは nginx と連携しています。このメリットとして、ウェブページの読み込みが高速である点と、サーバリソースが保存されるという点が挙げられます。Apache と nginx がデフォルトでどのように連携するかについては、「Apache と nginx」を参照してください。

どのウェブサイトに対しても、Apache と nginx のデフォルトの連携動作を変更することができます。より正確には、各サーバで処理する必要があるウェブコンテンツ(静的または動的)を指定することができます。これは、動的コンテンツ(PHP ファイル)または静的コンテンツの数の多い高負荷のウェブアプリケーションのパフォーマンスを最適化するのに役立ちます。該当する設定は、顧客パネルの[ウェブサイトとドメイン]> <ドメイン名> >[Apache と nginx の設定]ページで行います。

注:nginx 関連の設定は、nginx が有効になっている場合にのみ指定することができます。

以下の図は、考えられるすべての構成、および各構成についての良い点と悪い点を示しています。

静的コンテンツを処理する

次の表に、nginx の構成に応じて 2 KB の GIF 画像ファイルの要求が Plesk でどのように処理されるかをまとめています。

 

ヘッダ

 

[スマート統計ファイル処理]がオンの場合

デフォルト

パフォーマンスおよび信頼性の点で最適な構成です。

Apache に要求が渡されると、ファイルの場所のみが返されます。nginx によってファイルが検索され、提供されます。

[スマート統計ファイル処理]がオフの場合

透過

nginx は要求と応答を変更せずに渡すため、nginx 関連の問題をトラブルシューティングするモードが使用可能になります。

ファイルは、Apache から nginx へ、および nginx からクライアントへ、2 回送信されます。 このため、大きいファイルを配信すると、パフォーマンスがわずかに低下する場合があります。

 

GIF ファイル拡張子を[静的ファイルを nginx で直接処理]に含める

static_by_nginx

このモードでは、静的ファイルの配信パフォーマンスが向上します。

要求は、Apache に届かないと Apache ハンドラで処理されません。つまり、リライトルール、.htaccess ディレクティブなどが適用されないということです。

動的コンテンツを処理する

次の表に、nginx の構成に応じて PHP ファイルの要求が Plesk でどのように処理されるかをまとめています。

 

ヘッダ

 

[PHP を nginx で処理]を無効にする

パフォーマンスおよび信頼性の点で最適な構成です。

Apache に要求が渡されると、ファイルが実行され、結果が返されます。

サイトのホスティング設定に応じて、Apache では FastCGI、CGI、または Apache モジュールのいずれかのハンドラが使用されます。 また、サイトごとに個別に PHP バージョンを選択することもできます。

[PHP を nginx で処理]を有効にする

php_nginx

nginx では、PHP-FPM ハンドラを使用してファイルを実行します。PHP-FPM ハンドラは、拡張 FastCGI 機能を提供しているため、ウェブアプリケーション(特にユーザ数の多いアプリケーション)のパフォーマンスが向上する可能性があります。

要求は、Apache に届かないと Apache ハンドラで処理されません。つまり、一部のウェブアプリケーションが正しく動作しない場合があります。Apache .htaccess ディレクティブおよびリライトルールも同様に適用されません。

 

重要:[PHP を nginx で処理]オプションを有効にするには、nginx 用の PHP-FPM サポートをインストールする必要があります。PHP-FPM サポートのインストール方法について詳しくは、「PHP ハンドラ」セクションを参照してください。

nginx 追加ディレクティブをセットアップする

ウェブサイトのカスタム nginx ディレクティブを追加するには、[nginx 追加ディレクティブ]フィールドを使用します。フィールドを編集する場合は、nginx.conf と同様の構文を使用します。例えば、プロキシ経由のすべての要求を gzip で圧縮する場合は、次の行を追加します。

gzip_proxied any;

[nginx 追加ディレクティブ]フィールドは、顧客が表示したり、編集したりすることはできません。