SpamAssassin スパムフィルタ

SpamAssassin スパムフィルタは、Plesk サーバでホストされているメールボックスに送信されるメールからスパムメッセージを特定します。必要なレベルのスパム防御を実現するために、Plesk では数多くの SpamAssassin 設定を構成することができます。

• スパムフィルタの感度

  スパムメッセージを特定するために、SpamAssassin は、各メッセージの本文と件名に対してさまざまなテストを実行します。その結果、各メッセージには複数のポイントが累積されます。ポイントが高いほど、メッセージがスパムである可能性が高くなります。例えば、件名と本文に「BUY VIAGRA AT LOW PRICE!!!」という文字列が含まれるメッセージのスコアは 8.3 ポイントになります。 デフォルトで、スコアが 7 ポイント以上のメッセージをスパムと分類するようにフィルタ感度が設定されています。デフォルトの感度でもユーザがスパムメッセージを受信してしまう場合、値を下げることにより（6 など）感度を上げます。SpamAssassin が有効なメッセージをスパムと判断してしまう場合、値を上げることにより感度を下げます。

• スパムマーク

  サーバレベルでは、サーバ全体のスパムフィルタでスパムを自動的に削除するように設定することはできません。この設定はメールボックス単位でのみ可能です。サーバ全体で選択できるのは、メッセージをスパムとしてマークするオプションのみです。「X-Spam-Flag: YES」および「X-Spam-Status: Yes」ヘッダがデフォルトでメッセージソースに付加されます。このスパムフィルタでは、必要に応じて、件名行の先頭に特定のテキスト文字列が追加されます（デフォルトでは、文字列「*****SPAM*****」が追加されます）。

  すべてのスパムメッセージを削除するように SpamAssassin を構成することはできませんが、各メールボックス所有者が独自のスパム防御設定を構成することはできます。これらの設定には、SpamAssassin でマークされたメッセージを自動的に削除するためのスパムフィルタの設定、個人用のブラックリストおよびホワイトリストのセットアップなどがあります。特定のメールボックスに対するスパムフィルタ設定の調整について詳しくは、「スパムから防御する」セクションを参照してください。

• 確認するメッセージの最大サイズ

  大量のメールを分析すると、サーバの負荷が大幅に高くなるおそれがあります。これを回避するために、スパムフィルタでテストするメッセージの最大サイズを設定することができます。

• SpamAssassin プロセス数

  他に、SpamAssassin によるサーバの負荷を制限するために、SpamAssassin プロセス（Linux）またはサーバ上で同時実行するスレッド（Windows）の最大数を定義するという方法もあります。

• 信頼できる言語およびロケール（Windows のみ）

  信頼できる言語およびロケールを指定して、常にフィルタを通過できるメールの言語特性を定義することができます。指定した言語と定義された文字セットで記述された文字は、スパムとみなされません。

• ブラックリストとホワイトリスト

  SpamAssassin では、ブラックリストとホワイトリストに特定の送信者を追加することができます。

  • 特定のドメインまたは送信者からのメールがユーザに届かないようにするには、スパムフィルタのブラックリストに該当エントリを追加します。
  • 特定の送信者からのメールをユーザが必ず受信できるようにするには、スパムフィルタのホワイトリストに各メールアドレスまたはドメイン全体を追加します。

これらの設定は、［ツールと設定］>［スパムフィルタ設定］ページにあります。

注：Plesk では、基本的な SpamAssassin 機能のみが提供されます。複雑なアンチスパムルールを作成するには、SpamAssassin 構成ファイルを編集してください。SpamAssassin の高度な構成について詳しくは、『上級管理者ガイド』の「Spam Protection」（Linux 版または Windows 版）や、その他のマニュアル（http://spamassassin.apache.org/doc/Mail_SpamAssassin_Conf.html など）を参照してください。

SpamAssassin を有効にする

SpamAssassin を有効にするには：

1. ［ツールと設定］>［スパムフィルタ設定］（［メール］グループ内）に進みます。
2. ［サーバ全体に対する SpamAssassin スパムフィルタを有効にする］オプションをオンにします。
3. ユーザが自分のメールボックスのスパムフィルタ設定を自分で指定できるようにするには、［スパムフィルタにユーザごとの設定を適用する］チェックボックスをオンにします。
4. ［Spamd プロセスを実行する最大 Worker 数 (1-5)］フィールドに SpamAssassin プロセスの最大数を指定します。デフォルト値の使用を推奨します。
5. スパムフィルタの感度を調整するには、［メッセージをスパムとして判断するスコア値］フィールドに必要な値を入力します。

   デフォルトで、スコアが 7 ポイント以上のメッセージをスパムと分類するようにフィルタ感度が設定されています。デフォルトの感度でもユーザがスパムメッセージを受信してしまう場合、値を下げることにより（6 など）感度を上げます。SpamAssassin が有効なメッセージをスパムと判断してしまう場合、値を上げることにより感度を下げます。

6. Windows では、SpamAssassin で処理されるメッセージの最大サイズを定義するには、［指定メールサイズを超過する場合はフィルタリングしない］オプションをオンにして、必要な値を設定します。Linux 版の Plesk では、このパラメータは利用できません。Linux で最大メールサイズを編集する方法について詳しくは、「SpamAssassin の最大メールサイズを定義する（Linux）」を参照してください。
7. ［スパムとして認識されたメッセージの件名の先頭に以下のテキストを追加する］フィールドで、スパムとして認識されたメッセージをマークする方法を指定します。スパムフィルタでメッセージの件名を変更したくない場合、このボックスは空欄にしてください。件名にメッセージのスコアを含めたい場合、このボックスに「_SCORE_」と入力してください。
8. Windows では、［信頼できる言語］リストおよび［信頼できるロケール］リストを使用して信頼できる言語およびロケールを指定します。
9. ［OK］をクリックします。

SpamAssassin の最大メールサイズを定義する（Linux）

SpamAssassin によるサーバの負荷を低減するために、SpamAssassin で分析するメールの最大サイズを制限することができます。このサイズを超えるメッセージはすべて確認なしで受信者に配信されます。

SpamAssassin で処理されるメッセージの最大サイズを定義するには：

1. /etc/psa/psa.conf 構成ファイルを開き、編集します。
2. パラメータ SA_MAX_MAIL_SIZE に必要な値をバイト単位で指定します。

   デフォルトでは、最大メールサイズは 256000 バイトです。最大メールサイズは、画像が添付された HTML メールの標準的なサイズである 150〜250 キロバイトに制限することをお勧めします。メールサイズが、ファイルが添付されたメールメッセージの標準的なサイズである 500 キロバイトを超えると、フィルタが限界でサーバが過負荷状態になっていると見なされます。

ブラックリストとホワイトリストを構成する

ブラックリストまたはホワイトリストにエントリを追加するには：

1. ［ツールと設定］>［スパムフィルタ設定］ページの対応するタブを選択します。
2. ［アドレスを追加］をクリックします。
3. リストに追加するエントリのリストを指定します。

   複数のアドレスを指定する場合は、カンマ、コロン、またはスペースで区切ります。アスタリスク（*）は任意の組み合わせ文字を意味し、疑問符（?）は任意の一文字を意味します。例えば、「address@spammers.net, user?@spammers.net, *@spammers.net」のように入力します。「*@spammers.net」を指定すると、「spammers.net」ドメインを持つすべてのメールがブロックされます。Windows ベースのサーバを使用している場合、指定アドレスからのメッセージに対してどのような操作を行うかも指定してください。

4. ［OK］をクリックします。

ブラックリストまたはホワイトリストからエントリを削除するには：

対応するタブでエントリを選択し、［削除］をクリックします。