旧バージョンの Plesk からのアップグレード
旧バージョンの Plesk ソフトウェア(Plesk 9 以前)と比べ、Plesk 12 には、以下のような変更が加えられています。
-
ユーザアカウント:Plesk 12 には、クライアントアカウントとドメイン管理者アカウントがありません。ホスティングサービスを再販し、自社のウェブサイトをホストする必要がある場合は、リセラーアカウントをセットアップする必要があります。ホスティングサービスの再販が不要で、自社ウェブサイトのホストのみを行う場合は、顧客アカウントをセットアップします。
他のユーザに対し、ウェブサイトやインストール済みアプリケーションの管理のために Plesk へのアクセスを許可したり、メールサービスの使用を許可したりするには、Plesk にユーザアカウントを作成します。Plesk 12 で顧客は、Plesk へのアクセス用のユーザを無制限に作成したり、ウェブスペースへのアクセス用に複数の追加 FTP アカウントをセットアップすることができます。
-
サービスプラン:Plesk 12 には、リセラー、クライアント、またはドメインのテンプレートはありません。代わりに、サービスの提供内容に応じて作成する「サービスプラン」があります。リセラーのサインアップには「リセラープラン」、サービスの再販を必要としない顧客のサインアップには「ホスティングプラン」を使用します。 プランの作成後に、リセラーアカウントまたは顧客アカウントを作成して、プランにこれらのアカウントを登録します。これにより、ユーザに必要なリソースが提供され、Plesk で作業を実行する権限が付与されます。
サービスプランによる最も重要な変更点としては、以前の Plesk テンプレートと違い、サービスプランは最初のリソースプロビジョニング中に一度だけ適用されるのではなく、接続されたままになるため、プランに変更を加えると、プロビジョニング済みのリソースと権限にも変更が反映されます。
ホスティングプラン以外に、アドオンプランもあります。アドオンプランは、リソースやサービスを顧客に追加で割り当てるために使用できます。
-
契約: ドメインに代わり、マルチドメインホスティング契約が導入されています。顧客に対してドメインを作成する代わりに、ホスティングプランに顧客を登録します(言い換えると、顧客に対して契約を作成します)。ホスティングサービスに登録し、ウェブサイトやメールをホスティングできるのは、顧客だけではありません。Plesk 管理者やリセラーも独自の契約を持ち、独自の目的のために使用することができます。
契約は、サービスプランをベースに作成するか、手動で構成できます。
Plesk 12 でサービスに新しい顧客を登録するときは、最初のステップとして、ドメイン名を指定します。顧客の契約は常にドメインと紐付けられており、ドメイン名、IP アドレス、およびシステムユーザアカウントなどの属性で識別されます。すべての契約は、リンクされたドメインをベースに命名されます。このリンクは永久的なものであり、いかなる方法でも切断できないため、ある契約から別の契約へドメインを移動することはできません。ただし、ドメインの名前を変更することはできます。
1 つの契約の下で複数のウェブサイトをホストすることも、1 つの顧客アカウントに対して複数の契約を作成することもできます。
- リソースの割当: 旧バージョンの Plesk では、リソースはリセラーアカウント、クライアントアカウント、およびドメインに割り当てられていました。ところが Plesk 12 では、リソースはリセラーとホスティングサービス契約に割り当てられます。Plesk 12 では顧客アカウントにリソースが直接割り当てられないため、顧客が購入した複数の契約間でリソースの配分を変更することはできません。ある契約に割り当てられているリソースはすべて、この契約に紐付けられているウェブスペースでホストされるすべてのウェブサイトによって共有されます。
- サーバ管理パネルと顧客パネルという 2 種類のパネル:システム管理タスクと顧客およびリセラーアカウントの管理タスクは、サーバ管理パネルで行います。ウェブサイト管理、ホスティング機能、およびメールアカウントに関するオペレーションは、すべて顧客パネルで行います。サーバ管理パネルには、顧客パネルへのアクセス用のリンクがあります。これらのリンクから顧客パネルにログインして、リセラーや顧客の代わりにウェブサイトを管理することができます。
-
サブドメイン関連ディレクトリの構成の変更:安全上の理由から、Plesk でホスト型サブドメインのコンテンツと構成が別々のディレクトリに保存されるようになりました。
-
/<VHOST>/
<サブドメイン名> は、HTTP/HTTPS ドキュメントを格納するディレクトリです(以前のバージョンでは、HTTP ドキュメントと HTTPS ドキュメントは別々に格納されていました)。 -
/<VHOST>/<サブドメイン>/<サブドメイン名>
は、サブドメインの構成を格納するサービスディレクトリです。このディレクトリの内容は変更しないことを推奨します。
-
Plesk 12 へのアップグレードまたは移行後の変更点
Plesk 12 にアップグレードまたは移行すると、アカウント、ドメイン、ユーザ、ドメインテンプレートは以下のように変換されます。
- リセラーアカウントは変更なしで移管され、どのプランにも紐付けられていないカスタム契約によってリソースがリセラーアカウントに割り当てられます。
- クライアントアカウントは顧客アカウントになります。アップグレードまたは移行が終了した後で、新しいビジネスモデルに合うように、アカウントに対していずれかの作業を行う必要があります。
- 旧クライアントのリソースを、これらのクライアントに属していた複数の契約に分配する。
- 顧客をリセラーに変換し、既存の契約をリセラーに割り当てる。これを実行できるのは、アップグレードまたは移行前に顧客アカウントがリセラーに属していなかった場合のみです。
- ドメインは個別の契約に変換されます。契約は、以前のドメインが何に属していたかに応じて、管理者、リセラー、または顧客に割り当てられます。
- ドメイン管理者アカウントは、ユーザアカウントに変換され、当該ドメインを所有している顧客に割り当てられます。
- サーバ管理者とリセラーに属するドメインテンプレートは、ホスティングプランに変換されます。
- リセラーテンプレートはリセラープランに変換されます。
以下の表に、ビジネスオブジェクトの対応をまとめています。
旧バージョンの Plesk のオブジェクト | Plesk 12 のオブジェクト |
---|---|
リセラーアカウント |
リセラーアカウント |
クライアントアカウント |
顧客アカウント |
ドメイン |
契約(カスタム) |
ドメイン管理者アカウント |
ユーザアカウント |
リセラーテンプレート |
リセラープラン |
ドメインテンプレート |
ホスティングプラン |