移管によって Plesk をアップグレードする

移管によるアップグレードとは、すべてのホスティングデータ（サービスプラン、アカウント、コンテンツ付きの契約など）を、現在の Plesk サーバ（ソースサーバ）から最新バージョンの Plesk がインストールされたサーバ（宛先サーバ）へ移動させることによって、最新の Plesk バージョンに切り替えるプロセスです。このアップグレード方法は、最新バージョンの Plesk が現在の Plesk からのインプレースアップグレードをサポートしていない場合や、サーバで使用している OS をサポートしていない場合などに適しています。さらに、Plesk の更新だけではなく、より高性能なサーバや新しい OS に移行したい場合にも、このアップグレード方法を使用できます。移管によるアップグレードは、以下の方法で実行できます。移行・移管マネージャユーティリティまたはバックアップファイルを使用します。

サポートされるアップグレード

重要： 旧バージョンの Plesk（7.x、8.x、または 9.x）からアップグレードする場合、データの移管が終了した後で、追加の Plesk 構成を実行する必要があります。これらの手順は、すべての Plesk オブジェクトを新しいビジネスモデルに正常に切り替えるために必要です。詳しくは、「Plesk 9 以前のバージョンからのアップグレードを完了する」の章を参照してください。 

移行・移管マネージャユーティリティを使用してアップグレードする（推奨）

移行・移管マネージャユーティリティを使用して移管によるアップグレードを実行することをお勧めします。このユーティリティを移管先のサーバ上で実行すると、移管元 Plesk からホスティングデータが自動的にコピーされます。移行・移管マネージャを使用して Plesk をアップグレードする方法は、「移行・移管マネージャによってアップグレードする」セクションを参照してください。

バックアップファイルを使用してアップグレードする

何らかの理由で移行・移管マネージャがソースサーバに接続できない場合（ファイアウォールで制限がある場合など）には、バックアップファイルを使用してソースサーバから宛先サーバにデータを移管することができます。このようなアップグレードを実行するには、ソースサーバでデータをバックアップし、作成されたアーカイブファイルを宛先サーバに手動で移管し、宛先サーバ上でデータを復元する必要があります。Plesk データのバックアップと復元は、Plesk GUI で実行することも、コマンドラインユーティリティ pleskbackup および pleskrestore で実行することもできます。バックアップファイルを使用してアップグレードを実行する方法は、「バックアップファイルを使用してアップグレードする」セクションを参照してください。

移管されるデータ

移管によってアップグレードを実行すると、移行後の Plesk には、アップグレード前にソースサーバに含まれていたサービスプラン、アドオン、顧客アカウント、および契約が含まれます。大部分の Plesk 設定も移管されます。ただし、次のようなオブジェクトや設定は、移行先の Plesk に移管されません。

• 以下のリストに含まれる Plesk 設定：
  • 接続されたデータベースサーバとその設定のリスト（［ツールと設定］>［データベースサーバ］）

    重要： ソースサーバに接続しているデータベースサーバが宛先サーバと接続していない場合、このデータベースサーバのすべてのデータベースが宛先サーバのデフォルトの（同じタイプの）データベースサーバに移管されます。

  • Apache モジュールの設定（［ツールと設定］>［Apache モジュール］）
  • バックアップ設定（［ツールと設定］>［バックアップ設定］）
• 顧客のバックアップファイルと FTP ストレージの設定（［コントロールパネル］>［ウェブサイトとドメイン］>［バックアップマネージャ］>［FTP ストレージ］>［設定］）
• Plesk 拡張
• サードパーティ製ソフトウェア（Google サービスなど）

管理者と顧客はこれらの設定を構成し、不足しているオブジェクトを手動で追加する必要があります。

ベストプラクティス

以下の Odin ナレッジベースの記事も参照してください。

• Plesk for Linux：移行のベストプラクティスとユースケース
• Plesk for Windows：移行のベストプラクティスとユースケース