Expand から移行する

Plesk Migrator によって、Plesk Expand からホスティング構成とデータを移行することができます。以下の設定、オブジェクト、データが移行されます。

  • 移行先サーバに、リセラーアカウントと顧客アカウントおよびその契約が作成され、ドメイン、アドオンドメイン、サブドメイン、ドメインエイリアスもすべて作成されます。関連するすべての設定もあわせて移行されます。
  • データベース、メール、ウェブサイトのコンテンツなど、ホスティングされているコンテンツも移行されます。

注: Expand からの移行は、コマンドライン経由でのみ可能です。

Expand から Plesk への移行時に、Expand 内のオブジェクトは以下のルールに従って対応する Plesk オブジェクトに変換されます。

  • Expand リセラーは Plesk リセラーに変換されます。
  • Expand クライアントは Plesk 顧客に変換されます。
  • Expand で管理されている Plesk サーバからの Plesk リセラーは移行されません。
  • Expand で管理されている Plesk サーバからの Plesk クライアントは Plesk 顧客に変換されます。
  • Expand クライアントが所有する Plesk クライアントは Plesk 顧客に変換されます。
  • Expand で管理されている Plesk サーバからの Plesk ドメインは Plesk 契約に変換されます。

Expand から Plesk へ移行する場合、以下の制約事項にご注意ください。

  • 中央管理されたメールサーバからの補助ユーザおよび補助役割は移行されません。
  • Expand サービステンプレートは移行されません。
  • Unix から Windows への移行は、中央管理されたサービスでは機能しません。

また、Expand に登録された Plesk for Linux サーバからは、別の Plesk for Linux サーバへの移行のみが可能です。これは Plesk for Windows サーバも同様です。したがって、Plesk for Linux サーバと Plesk for Windows サーバの両方が Plesk Expand に登録されている場合、Linux 用と Windows 用という 2 通りの移行を実行する必要があります。

Expand から Plesk for Linux へ移行する場合

  1. 移行先の Plesk サーバに SSH 経由でログインします。
  2. Plesk Migrator がインストールされていることを確認します。インストールされていない場合、こちらの説明に従ってインストールしてください。
  3. サンプル構成ファイル expand-unix.ini/usr/local/psa/admin/plib/modules/panel-migrator/backend/conf/samples/ ディレクトリから /usr/local/psa/var/modules/panel-migrator/conf/ ディレクトリへコピーします。構成ファイルサンプルの内容はこちらで確認できます。ファイルをコピーしてから、config.ini に名称変更します。
  4. config.ini ファイルを編集して、以下を指定します。
    1. 移行先 Plesk サーバの IP アドレス。
    2. 移行元 Expand サーバの IP アドレスおよび root ユーザの SSH パスワード。
    3. 移行したい各 Plesk for Linux サーバの IP アドレスおよび root ユーザの SSH パスワード。
    4. (オプション)もし使用していれば、PostgreSQL サーバの IP アドレスおよび root ユーザの SSH パスワード。
    5. (オプション)もし使用していれば、中央管理された DNS サーバの IP アドレスおよび管理者ユーザの SSH パスワード。
    6. (オプション)もし使用していれば、中央管理されたメールサーバの IP アドレスおよび管理者ユーザの SSH パスワード。

    また、追加の設定を指定することもできます。詳しくは「Plesk Migrator 構成ファイルを編集する」トピックを参照してください。

  5. 以下のコマンドを実行して、移行リストを生成します。

    /usr/local/psa/admin/sbin/modules/panel-migrator/plesk-migrator generate-migration-list

    生成されたファイルは「migration-list」という名前で /usr/local/psa/var/modules/panel-migrator/sessions/migration-session/ ディレクトリに保存されます。移行リストに含まれるのは、移行対象のオブジェクト(顧客およびリセラーアカウント、サービスプラン、ドメインなど)の一覧です。

  6. 移行リストを編集します。移行したくないドメインの削除や、移行したいドメインのサービスプランへの割り当て、顧客アカウントから顧客アカウントへの再割り当てなどができます。
  7. アドレスを手動で割り当てたい場合、ウェブサイトで使用する新規 IP アドレスを指定します。デフォルトで、IP マッピングは自動的に実行されます。IP マッピングについて詳しくは、こちらをお読みください。
  8. (推奨)以下のコマンドを実行して、移行前のチェックを実行します。

    /usr/local/psa/admin/sbin/modules/panel-migrator/plesk-migrator check

    このコマンドを実行すると、移行中に発生する可能性がある潜在的な問題が(もしあれば)一覧表示されます。

  9. 以下のコマンドを実行して移行を開始します。

    /usr/local/psa/admin/sbin/modules/panel-migrator/plesk-migrator transfer-accounts

  10. (推奨)移行が終了した後で、以下のコマンドを実行して、移行したオブジェクトが移行先サーバで稼働していることを確認します。

    /usr/local/psa/admin/sbin/modules/panel-migrator/plesk-migrator test-all

Expand から Plesk for Windows へ移行する場合

  1. 移行先の Plesk サーバに RDP 経由でログインし、コマンドプロンプトを開きます。
  2. Plesk Migrator がインストールされていることを確認します。インストールされていない場合、こちらの説明に従ってインストールしてください。
  3. サンプル構成ファイル expand-windows.ini%plesk_dir%admin\plib\modules\panel-migrator\backend\conf\samples\ ディレクトリから <PLESK_DATA_DIRECTORY>\var\modules\panel-migrator\conf\ ディレクトリへコピーします。サーバ上で <PLESK_DATA_DIRECTORY> の場所を確認するには、以下のコマンドを実行します。

    reg query "HKLM\SOFTWARE\Plesk\PSA Config\Config" /v PRODUCT_DATA_D /reg:32

    構成ファイルサンプルの内容はこちらで確認できます。ファイルをコピーしてから、config.ini に名称変更します。

  4. config.ini ファイルを編集して、以下を指定します。
    1. 移行先 Plesk サーバの IP アドレス。
    2. 移行元 Expand サーバの IP アドレスおよび root ユーザの SSH パスワード。
    3. 移行したい各 Plesk for Windows サーバの IP アドレスおよび管理者ユーザの RDP パスワード。
    4. (オプション)もし使用していれば、Microsoft SQL サーバの IP アドレスおよび管理者ユーザの RDP パスワード。
    5. (オプション)もし使用していれば、中央管理された DNS サーバの IP アドレスおよび管理者ユーザの SSH パスワード。
    6. (オプション)もし使用していれば、中央管理されたメールサーバの IP アドレスおよび管理者ユーザの RDP パスワード。

    また、追加の設定を指定することもできます。詳しくは「Plesk Migrator 構成ファイルを編集する」トピックを参照してください。

  5. 以下のコマンドを実行して、移行リストを生成します。

    "%plesk_dir%admin/plib/modules/panel-migrator/backend/plesk-migrator.bat" generate-migration-list

    生成されたファイルは「migration-list」という名前で <PLESK_DATA_DIRECTORY>\var\modules\panel-migrator\sessions\migration-session\ ディレクトリに保存されます。移行リストに含まれるのは、移行対象のオブジェクト(顧客およびリセラーアカウント、サービスプラン、ドメインなど)の一覧です。

  6. 移行リストを編集します。移行したくないドメインの削除や、移行したいドメインのサービスプランへの割り当て、顧客アカウントから顧客アカウントへの再割り当てなどができます。
  7. アドレスを手動で割り当てたい場合、ウェブサイトで使用する新規 IP アドレスを指定します。デフォルトで、IP マッピングは自動的に実行されます。IP マッピングについて詳しくは、こちらをお読みください。
  8. (推奨)以下のコマンドを実行して、移行前のチェックを実行します。

    "%plesk_dir%admin/plib/modules/panel-migrator/backend/plesk-migrator.bat" check

    このコマンドを実行すると、移行中に発生する可能性がある潜在的な問題が(もしあれば)一覧表示されます。

  9. 以下のコマンドを実行して移行を開始します。

    "%plesk_dir%admin/plib/modules/panel-migrator/backend/plesk-migrator.bat" transfer-accounts

  10. (推奨)移行が終了した後で、以下のコマンドを実行して、移行したオブジェクトが移行先サーバで稼働していることを確認します。

    "%plesk_dir%admin/plib/modules/panel-migrator/backend/plesk-migrator.bat" test-all