このセクションでは、ウェブホスティングに必要な作業を Plesk で実行する手順を順番に説明します。このチュートリアルを最後まで行うと、実際に機能するウェブサイトを作成してデータベースとメールアカウントを追加できます。また、DNS レコードの管理方法とウェブサイトのバックアップ方法についても学びます。

ステップ 1. 最初のウェブサイトを作成する

最初のウェブサイトをセットアップするには、以下の手順に従います。

  1. ドメイン名を登録する
  2. Plesk にドメインを追加する
  3. ウェブサイトを作成する

ドメイン名を登録する

ドメイン名とは、会社の住所のようなものです。顧客はこれを頼りにオンライン上で会社を探すため、よい名前にする必要があります。短くて入力しやすく、覚えやすいのがよいドメイン名です。たとえば「example.com」のようなドメイン名があります。ドメイン名の登録は、「ドメインレジストラ」と呼ばれる組織を通して行います。通常、ホスティング事業者がドメイン名登録をサポートしています。ドメイン名登録は多くの場合、ウェブホスティングサービスと組み合わせて販売されています。

注釈: ホスティング事業者を通してドメイン名を登録する場合、ドメイン名が自社の名義で登録されることを確認してください。ホスティング事業者の名義で登録されると、将来ホスティング事業者を変更する時に問題が生じる可能性があります。

Plesk にドメインを追加する

ウェブホスティングの顧客であれば、既にホスティング事業者によって最初のドメインが追加されていると考えられます。追加されていない場合、ホスティング事業者までお問い合わせください。ウェブ管理者であり、パワーユーザビューを使用している場合は、最初に Plesk をセットアップした時に最初の契約を構成しています。Plesk にドメインを追加すると、コンテンツのアップロード、Presence Builder の使用、コンテンツ管理システムのインストールが可能になります。

将来的にドメインをさらに追加できますが、このセクションの目的では、最初のドメインだけで十分です。

ウェブサイトを作成する

ウェブサイト用のコンテンツを作成するには 3 つの方法があり、それぞれに長所と短所があります。ここでは、3 つの方法すべてについて簡単に説明します。

  • プロのデザイナーを利用し、完成したコンテンツをアップロードする。このオプションでは、期待通りのウェブサイトを確実に作成できますが、最もコストがかかります。自社のホスティングアカウントに、ウェブデザイナーから納品されたファイルをアップロードする必要があります。アップロードには FTP またはファイルマネージャを使用できます。手順はこちらで確認してください。
  • Presence Builder を使用する。Plesk に付属する Presence Builder ツールによって、ウェブインターフェース上でウェブサイトを作成できます。ツールに含まれるテンプレートを使用すると、プロフェッショナルなウェブサイトがわずか数分で完成します。手順はこちらで確認してください。
  • コンテンツ管理システムを使用する。コンテンツ管理システム(略称「CMS」)とは、ウェブサイトの作成と保守に使用できるサードパーティ製のアプリケーションです。柔軟性が高く、オプションのアドオンが多数用意されています。Presence Builder と比べてより詳細にカスタマイズできる反面、技術的な知識が必要になります。CMS を使用する方法は、こちらでご確認ください。

オプション A. コンテンツをアップロードする

ウェブサイトを自分でコーディングした場合や、ウェブデザイナーにウェブサイト作成を依頼した場合は、ウェブサイトをインターネットで公開するために、ウェブサイトコンテンツを Plesk にアップロードする必要があります。Plesk には、FTP またはファイルマネージャを使用してコンテンツをアップロードするオプションがあります。以下のセクションでは、両方のオプションについて説明しますので、適した方法を選択してください。

FTP 経由でウェブサイトを公開するには:

  1. いずれかの FTP クライアントプログラムをダウンロードします。任意の FTP クライアントを選択できます。どれを選ぶべきかわからない場合には、FileZilla を使用できます。
  2. FTP クライアントを使用してサーバ上の契約に接続します。接続には、以下の情報が必要です。
    • FTP サーバのアドレス:FTP アドレスは ftp://your-domain-name.com という形式です(your-domain-name.com はサイトのインターネットアドレス)。
    • FTP ユーザ名:システムユーザ名と同じです。ただし、Plesk へのログインに使用するユーザ名とシステムユーザ名が異なる場合もあります。システムユーザ名を確認するには、[ウェブサイトとドメイン]タブで[ウェブホスティングアクセス]をクリックします。システムユーザ名は[ユーザ名]で確認できます。必要に応じてシステムユーザを変更することができます。
    • FTP パスワード:システムユーザのパスワードと同じです。わからない場合は、[ウェブサイトとドメイン]タブで[ウェブホスティングアクセス]をクリックして確認することができます。[パスワード]でパスワードをリセットできます。
  3. ファイアウォールを使用している場合は、パッシブモードをオンにします。パッシブモードの設定方法は、使用している FTP クライアントのマニュアルを参照してください。
  4. サイトのファイルとディレクトリを httpdocs ディレクトリにアップロードします。CGI スクリプトを使用する場合、cgi-bin ディレクトリにスクリプトを置きます。

ファイルマネージャ経由でウェブサイトを公開するには:

  1. [ウェブサイトとドメイン] > ドメイン名を選択 > [ファイルマネージャ]の順に選択して、httpdocs ディレクトリに移動します。

  2. image upload button ボタンをクリックして、以下を実行します。

    • 1 つのファイルをアップロードするには、[ファイルをアップロード]をクリックして、アップロードするファイルを探して選択します。

    • 1 つのファイル、複数のファイル、またはファイルの含まれるディレクトリをアップロードするには、[ファイルをアップロード]をクリックして、点線で囲まれたボックスにファイルまたはディレクトリをドラッグします。

    • 自分のコンピュータではなく別のウェブサイトや FTP サーバからファイルをアップロードするには、[URL 経由でファイルをインポート]をクリックし、ファイルの URL を指定して、[インポート]をクリックします。たとえば、https://example.com/image.pngftps://user:password@example.com/example.tar のような URL です。

      注釈: ファイルマネージャでのファイルインポートでサポートされるのは、HTTP、HTTPS、FTP、または FTPS プロトコルです。プロトコルに応じて、URL パスにユーザ名とパスワードを追加することが任意または必須になります。

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    ファイルがアップロードされました。アーカイブファイルの場合、あと 2 つ工程が残っています。

  3. アーカイブファイルに対応する行をクリックして、[ファイルを抽出]をクリックします。アーカイブにパックされたファイルと同じ名前のファイルがディレクトリに含まれている場合、[既存ファイルを置換]チェックボックスをオンにします。展開されたファイルにより、ディレクトリ内のファイルが置換されます。

  4. [OK] をクリックします。

    注釈: ファイルマネージャは、ZIP、RAR、TAR、TGZ、TAR.GZ のアーカイブ形式からファイルを抽出できます。

アップロードしたウェブサイトによっては、データベースが機能している必要があります。 データベースを作成する方法をご確認ください。

オプション B. Presence Builder でウェブサイトを作成する

Presence Builder でウェブサイトを作成するには、[ウェブサイトとドメイン] > [Presence Builder]に進み、[サイト作成]をクリックします。

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Presence Builder でのウェブサイトの作成・編集について詳しくは、http://docs.plesk.com/current/customer-guide/ を参照してください。

Presence Builder でウェブサイトを作成する場合、データベースは不要です。次のステップに進み、Plesk でメールアカウントを作成する方法を確認してください。

オプション C. コンテンツ管理システムをインストールする

コンテンツ管理システム(「CMS」)を使用してウェブサイトを作成するには、[アプリケーション][インストール]をクリックします。

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上記に従って CMS をインストールすると、データベースがウェブサイト用に自動的に作成されます。次のステップに進み、Plesk でメールアカウントを作成する方法を確認してください。

ステップ 2. データベースを作成する

データベースとは、データを保存するために使用されるリレーショナルな構造です。最新のウェブホスティングにはデータベースが欠かせず、ほとんどの主要 CMS は機能するためにデータベースを必要とします。Plesk は MySQL、MSSQL、PostgreSQL データベースサーバに対応しており、データベースの追加、削除、アクセスや、データベースユーザの管理が可能です。

ウェブサイトにデータベースが不要な場合は、次のステップに進み、Plesk でメールアカウントを作成する方法を確認してください。

データベースおよびデータベースユーザを作成するには:

[データベース] > [データベースを追加]に進みます。

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ステップ 3. メールアカウントを作成する

メールサービスにより、インターネットユーザ同士でメールメッセージをやりとりすることができます。Plesk はメールサーバとして機能させることができます。また、メールアカウントを作成して管理することができ、多種多様なメール関連処理を実行可能です。たとえば、メールアカウントのパスワードの変更、自動応答の有効化などができます。

メールアカウントを作成する必要がない場合は、次のステップに進み、Plesk でカスタム DNS レコードを追加する方法を確認してください。

メールアカウントを作成するには、[メール][メールアドレスを作成]をクリックします。

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ステップ 4. カスタム DNS レコードを追加する

DNS レコードは、ドメイン名の変換に使用されます。訪問者はこのレコードによって御社のウェブサイトにオンラインアクセスできます。Plesk でドメインを作成すると、必要な DNS レコードがすべて自動的に追加されます。また、以下で説明するように、カスタム DNS レコードを追加することもできます。

カスタム DNS レコードを作成する必要がない場合は、次のステップに進み、ウェブサイトをバックアップする方法を確認してください。

ドメインの DNS ゾーンにカスタム DNS レコードを追加するには、[ウェブサイトとドメイン][DNS 設定] > [レコードを追加]をクリックします。

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ステップ 5. ウェブサイトをバックアップする

ウェブサイトの構成やコンテンツの破損・紛失に備えてウェブサイトのバックアップコピーを作成しておくことをお勧めします。

ウェブサイトをバックアップする必要がない場合は、次のステップに進み、パスワードの変更方法と Plesk からのログアウト方法を確認してください。

バックアップ機能を利用するには、以下の手順に従います。

  • ホスティングの顧客の場合、[ウェブサイトとドメイン] > [バックアップマネージャ] > [バックアップ]に進みます。

  • パワーユーザビューを使用するサーバ管理者の場合、[バックアップマネージャ][バックアップ]に進みます。

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ステップ 6. パスワードを変更する、ログアウトする

ホスティングを利用する顧客の場合、Plesk へのログインに使用するパスワードはホスティング事業者によってセットアップされている場合があります。これを変更するには、ページ上部に表示されたユーザ名の上にカーソルを置き、[プロファイルを編集]をクリックします。

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必要な作業をすべて実行したので、Plesk からログアウトします。ページ上部に表示されたユーザ名の上にカーソルを置き、[ログアウト]をクリックします。

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これでチュートリアルは終わりです。ぜひ、その他の Plesk 機能もお試しいただき、ウェブホスティングアカウントの管理がどのように簡素化されるのかをご体験ください。以下のようなリソースが参考になります。

  • 本ガイドの「Plesk 機能の説明」セクションでは、チュートリアルで説明しなかったトピックについても説明しています。
  • Plesk カスタマガイド』は、ウェブホスティングを利用する顧客が使用できるすべての Plesk 機能について説明しています。
  • Plesk 管理者ガイド』は、サーバ管理者が使用できるすべての Plesk 機能について説明しています。