ディスクスペース使用量の計算について
Plesk ユーザが契約を作成すると、Plesk はこのエンティティのディスクスペース使用量の計算を開始します。消費されるディスクスペースは、以下のタイプに分類されます。
- (常に含まれる)ウェブサイト、FTP、ウェブユーザのコンテンツ(ログファイルと統計レポートを含む)
- データベース
- リモートデータベース
- メールボックス
- Java アプリケーション
- メーリングリスト
- 契約のバックアップファイル
- サーバレベルバックアップの一部である契約バックアップ
このセクションでは、Linux 版と Windows 版の Plesk でこうした各カテゴリのディスクスペース使用量がどのように計算されるかについて説明します。ディスクスペースの計算にオプションを適用するか、除外するには、[ツールと設定]>[サーバ設定]ページで設定できます。
ディスクスペース使用量の合計は、[ツールと設定]>[概要レポート]で確認できます。概要レポートには、すべての契約によるディスクスペース使用量の合計が表示されます。
契約ごとのディスクスペース使用量を参照するには、[契約]に移動し、契約名をクリックして、クラシックリスト**ビューモードに切り替えます(|image-75739.png| アイコンをクリックし、**[クラシックリスト]を選択します)。メインドメインと追加ドメインおよびサブドメインのディスクスペース使用量が [ディスク使用量] 列に表示されます。
サブドメインおよび追加ドメインのコンテンツが占有するディスクスペースが、メインドメインに対して計算されるディスクスペース使用量の値に加算されます。
サブドメインおよび追加ドメインに対して計算されるディスクスペース使用量は少ない場合が多く、ドメインの構成やログなどのシステムファイルのみが含まれています。
変数
このセクションでは、説明をわかりやすくするために、次の変数を使用します。
- HTTPD_VHOSTS_D:仮想ホストのディレクトリの絶対パス
- CATALINA_HOME:Tomcat インストールディレクトリの絶対パス
- PRODUCT_ROOT_D:Plesk インストールディレクトリの絶対パス
- PLESK_MAILNAMES_D:メールボックスのディレクトリの絶対パス
- PGSQL_DATA_D、MYSQL_VAR_D:それぞれ、MySQL および PostgreSQL データベースのディレクトリの絶対パス
変数の値は OS に応じて異なります。Linux では /etc/psa/psa.conf
で値を参照できます。
ウェブサイト、コンテンツ、匿名 FTP コンテンツ、ウェブユーザのコンテンツ
このカテゴリのコンテンツは、ディスクスペース使用量の計算に常に含められます。
Windows では、ウェブサイトコンテンツのサイズを "%plesk_vhosts%\<domain_name>"
ディレクトリの合計サイズから以下のディレクトリを差し引いて計算します。
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\anon_ftp"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\anon_ftp"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\anon_ftp"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\web_users"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\web_users"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\web_users"
Linux では、ウェブサイトコンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/cgi-bin
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/error_docs
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/httpdocs
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/<subdomain_name>
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/<addon_domain_name>
HTTPD_VHOSTS_D/system/<domain_name>/pd
Windows では、匿名 FTP コンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\anon_ftp"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\anon_ftp"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\anon_ftp"
Linux では、匿名 FTP コンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/
<domain_name> /anon_ftp
Windows では、ウェブユーザのコンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
"%plesk_vhosts%\
<domain_name> \web_users"
"%plesk_vhosts%\
<domain_name> \<subdomain_name>\web_users"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\web_users"
Linux では、ウェブユーザのコンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/
<domain_name> /web_users
注釈: Plesk 11.5 以降では、上記のディレクトリにハードリンクが含まれている場合、各リンクのサイズは、リンクインスタンスの数に関わらず、一度しか計算に使用されません。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、ウェブサイト、FTP、ウェブユーザのコンテンツを WEB_CONTENT と表記します。
ログファイルおよび統計レポート
Windows では、統計レポートのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\.plesk\statistics"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\.plesk\statistics"
"%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\.plesk\statistics"
Windows では、ログのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
"%plesk_vhosts%\<subscription_name>\logs"
Linux では、ログとレポートのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D /system/<domain_name>/statistics
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、ログとレポートの合計サイズを LOG_AND_STAT で表記します。
データベース
データベースのサイズは、ウェブサイトごとに計算した後で、合計サイズに集計されます。
Windows では、MySQL データベースのサイズは、クエリ SHOW TABLE STATUS FROM <db_name> のデータ長とインデックス長の合計です。
MS SQL データベースのサイズを取得するために、システムは特定のウェブサイト下の各データベースに対して、クエリ exec sp_databases を実行します。結果を合計して 1024 を掛けます。
Linux では、PostgreSQL データベースのサイズは PGSQL_DATA_D/base/
db_oid ディレクトリの合計サイズとなります。ここで db_oid は、特定のウェブサイト下にあるデータベースの OID を示します。
Linux では、MySQL データベースのサイズは MYSQL_VAR_D/
db_name ディレクトリのサイズとなります。ここで db_name は、特定のウェブサイト下にあるデータベースの名前を示します。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、データベースの合計サイズを DATABASES と表記します。
リモートデータベース
Plesk Onyx 以降は、リモートホストのデータベースをディスクスペース使用量の計算に含めることができます。Linux では、リモート MySQL データベースのみを含めることができます( [リモート MySQL データベース] オプション)。Windows では、あらゆる種類のリモートデータベースを計算に含めることができます( [リモートデータベース] オプション)。
メールボックス
ウェブサイトごとのメールボックスサイズは、各メールボックス用のディレクトリの合計サイズです。メールボックスへのパスは、メッセージ転送エージェント(MailEnable など)に応じて異なります。
- (Windows、MailEnable) mailbox_dir
\
<domain_name>\MAILROOT\
mailbox_name. mailbox_dir は、Windows レジストリ HKEY_LOCAL_MACHINESOFTWAREWow6432NodeMail EnableMail EnableConnectorsSF に保存されます。 - (Windows、SmarterMail)*mailbox_dir*
\Users\
mailbox_name。mailbox_dir は、svcDomainAdmin ウェブサービスの GetDomainSettings メソッドを呼び出して取得します。 - (Linux)*PLESK_MAILNAMES_D*
/
<domain_name>。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、メールボックスの合計サイズを MAILBOXES と表記します。
Java アプリケーション
Windows では、Java アプリケーションの合計サイズは CATALINA_HOME \psa-wars\
domain_name ディレクトリのサイズとなります。ここで CATALINA_HOME は、Windows レジストリの HKLMSOFTWAREApache Software FoundationTomcat<Tomcat_version> の InstallPath パラメータの値です。
Linux では、Java コンテンツのディレクトリは CATALINA_HOME/psa-wars/
<domain_name> です。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、この合計サイズを JAVA_APPS と表記します。
バックアップファイル
Linux では、バックアップのサイズは以下のユーティリティ呼び出しによって取得されます。
PRODUCT_ROOT_D /admin/bin/pmm-ras --get-domain-dumps-disc-usage --domain-guid
<domain_guid> --session-path
PRODUCT_ROOT_D /PMM/logs
管理者が、サーバレベルのバックアップでネストされたウェブサイトバックアップをユーザクォータから除外するように指定すると、ユーティリティは追加オプション --skip-server-dumps 付きで実行されます。
Windows では、バックアップのサイズはキャッシュされ、ファイル名 size_xxxxxx の size_ 部分に続く数字の合計となります。この size_ ファイルは、「%plesk_dir%\Backup\
backups_dir \
<domain_name> \.discovered\*\
」に保存されます。
backups_dir は、以下のディレクトリです。
/domains
- バックアップが管理者に所有されている場合。
/resellers/
<reseller_username> /domains
- ウェブサイトがリセラーに所有されている場合。
/resellers/
<reseller_username> /clients/
<customer_username> /domains
- ウェブサイトがいずれかのリセラーの顧客に所有されている場合。
/clients/
<customer_username> /domains
- ウェブサイトが管理者の直下の顧客に所有されている場合。
「%plesk_dir%\Backup\dumps_dir\<domain_name>\.discovered\*\ownertype_server
」ファイルが存在する場合、サーバレベルのバックアップでネストされるウェブサイトバックアップのサイズは、ディスクスペース使用量に加算されません。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、バックアップサイズを BACKUPS と表記します。
ディスクスペースの合計使用量を計算する
ディスクスペースの合計使用量の計算式は、次のようになります。
TOTAL = WEB_CONTENT
+ LOG_AND_STAT*(**[ツールと設定]*>[サーバ設定]で[ログファイルおよび統計レポート]オプションが選択されている場合)
+ DATABASES*(**[データベース]*オプション(Linux)、[MySQL データベース]、[Microsoft SQL データベース]に応じる)
+ MAILBOXES*(**[メールボックス]*オプションが選択されている場合)
+ JAVA_APPS*(**[Java アプリケーション]*オプションが選択されている場合)
+ BACKUPS*(**[ドメインバックアップファイル]*オプションが選択されている場合。値は[管理者が作成したバックアップファイル]に応じる)
ここでの各プレースホルダ(例:WEB_CONTENT)は、それぞれのカテゴリの合計です。