顧客アカウント管理
「Plesk クイックスタート」セクションで説明したように、会社のウェブサイトを構築する第一歩は、ホスティング事業者が提供するサービスへのサインアップです。ホスティングプランを契約すると、Plesk に*顧客アカウント*が作成されます。このアカウントで、Plesk にログインしてホスティングサービスやリソース(メールボックス、ディスクスペース、帯域幅など)を利用できるようになります。
顧客アカウントと複数の契約
Plesk では、ホスティングプランの契約を必要な数だけ作成できます。たとえば、メインサイトと支店ごとのサイトでホスティングリソースを共用したくない場合には、同じ顧客アカウントの下に異なる契約を作成することができます。つまり、顧客アカウントには、すべての契約へのアクセスが個別に設定されています(下図を参照)。
複数の契約が必要になるもう 1 つの理由として、1 つの契約では IPv4 *アドレスと IPv6 アドレスを 1 つずつしか利用できない*ということが挙げられます。つまり、1 つの契約内のドメインはすべて同じ IP アドレス(IPv4 または IPv6)を共用します。異なる IP アドレスでサイトをホストする必要がある場合は、必要な IP アドレスの数と同じだけプランを追加注文する必要があります。これは、各サイトへの接続を別々の SSL/TLS 証明書で保護したい場合などに便利です。
システムユーザ
Plesk では、ホスティング契約ごとに 1 人の*システムユーザ*(Plesk サーバの OS のユーザアカウント)が作成されます。顧客は、サービスプロバイダからシステムユーザのアクセス情報を取得し、それを使用してサーバに FTP、SSH などで接続します。さらに、Plesk ではファイルやディレクトリに対する操作はすべてシステムユーザとして実行されます。たとえば、顧客がファイルマネージャで新しいファイルを追加すると、契約のシステムユーザがファイルの所有者になります。
複数の契約をナビゲートする
バージョン 12.0 までの Plesk では、ホスティングアカウントを複数持つユーザは、特定のドメインまたはメールボックスの設定に簡単にアクセスできませんでした。顧客がドメインやメールボックスを操作するためには、まず、それらが属している契約を選択する必要がありました。
Plesk 12.0 では、複数のホスティングアカウントと契約を持つ顧客が、ウェブサイト間を簡単に移動できるようになりました。自分のすべての契約に紐付けられているサイトやメールアドレスが 1 ページに表示されるようになっています。
異なる契約に属しているサイトは、紐付けられたシステムユーザで見分けることができます。同じ契約内のサイトではシステムユーザが同じです。
特定の契約のサイトを表示・管理するには:
ページ上部の[契約]メニューで契約名を選択します。
自分のサイトをすべて表示・管理するには:
ページ上部の[契約]メニューで[すべての契約]を選択します。[すべての契約]オプションを使用すると、すべてのサイトまたはメールボックスを 1 つのページで表示・管理することができます。
顧客パネルの他のページ([アプリケーション]、[ファイル]、[統計]など)で[すべての契約]を選択すると、どのサイトに対してアクションを実行するか選択するよう求められます。アプリケーションのインストール、メールアカウントの作成、ファイルのアップロード、統計の表示などのアクションがあります。
契約にリソースを追加する
ホスティングリソースを拡張するために、必ずしも新しい契約を購入する必要はありません。いつでも契約を 1 つ選んでこれを拡張することができます。たとえば、ディスクスペースを増量したり、SSL/TLS サポートを追加するために、ホスティングプランを切り替えたり、ホスティングプランのアドオンを購入することができます。
一時停止された契約を再開する
「警告:契約は一時停止されました。サイトはすべて使用できません」というメッセージがアカウントへのログイン後に表示された場合、この契約は一時停止されています。契約の一時停止には、いくつかの理由が考えられます。
- 契約の有効期限に達した。
- 契約に含まれる 1 つ以上のリソースの使用量が上限に達した。
- プロバイダが契約を手動で一時停止した。
契約が一時停止されている間は、ウェブホスティング設定、メールアカウント、データベースを含め、この契約のすべての要素を管理できなくなります。プロバイダが設定した構成によっては、ウェブサイトも使用不能になります。
契約を再開することができるのは、プロバイダのみです。この問題を解決するには、速やかにプロバイダまでご相談ください。
顧客アカウントを管理する
Plesk では、顧客アカウントに対して様々な管理作業を実行することができます。
- パスワードや個人情報を変更する。詳しくは、「パスワードと連絡先情報を変更する」セクションを参照してください。
- [アカウント]タブで、契約で提供されているサービスとリソースを確認する。契約について確認できるすべての情報については、「契約の概要を確認する」セクションを参照してください。
- アカウントの統計を参照する。たとえば、ディスク容量やトラフィック使用量などの統計を確認できます。詳しくは、「統計を確認する」セクションを参照してください。
自分のアカウントに他のユーザがアクセスすることを許可する
ホスティングのメンテナンス作業が多すぎて 1 人で行うのが困難であれば、その一部を他のユーザに委託することができます。これには、追加ユーザアカウントを作成し、ユーザの役割ごとにグループ分けします。たとえば、ウェブサイトへのコンテンツのアップロードのみを実行できるグループを 1 つ作成します。このグループ内のユーザは、ウェブサイトコンテンツの管理以外の作業を実行できません。追加ユーザについては、「(高度)追加ユーザアカウントを管理する」セクションを参照してください。