移行後のチェック
いずれかのサポートされる移行元プラットフォームから移行した後で、移行後のチェックを実行し、移管されたウェブサイト、メールアカウント、データベースなどが移行先サーバで使用できることを確認できます。
移行後のチェックでは、以下のアスペクトが機能することを検証します。
- ウェブサイト
- メール
- DNS
- データベース
- システムユーザ
各アスペクトにつき、移行されるそれぞれのオブジェクト(ウェブサイト、メールアカウント、システムユーザなど)に対してサービス固有のテストが行われます。このトピックでは、このテストの詳細について説明します。
移行後のチェックを実行するには:
- Plesk インターフェース経由で移行を行う場合、移行の開始時に[移行後にサービスの操作性を確認します]チェックボックスをオンにします。移行後のチェックの結果は移行ログに記述され、移行が完了した後で Plesk インターフェースからアクセスできます。
- コマンドライン経由で Plesk for Linux サーバから移行を行う場合、移行の終了後に以下のコマンドを実行します。
/usr/local/psa/admin/sbin/modules/panel-migrator/plesk-migrator test-all
移行後のチェックによってレポートが生成され、「test-all-report.<date>
」という名前のファイルが /usr/local/psa/var/modules/panel-migrator/sessions/migration-session/
ディレクトリに保存されます。
- コマンドライン経由で Plesk for Windows サーバから移行を行う場合、移行の終了後に以下のコマンドを実行します。
"%plesk_dir%admin/plib/modules/panel-migrator/backend/plesk-migrator.bat" test-all
移行後のチェックによってレポートが生成され、「test-all-report.<date>
」という名前のファイルが <PLESK_DATA_DIRECTORY>/var/modules/panel-migrator/sessions/migration-session/
ディレクトリに保存されます。サーバ上で <PLESK_DATA_DIRECTORY>
の場所を確認するには、コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
reg query "HKLM\SOFTWARE\Plesk\PSA Config\Config" /v PRODUCT_DATA_D /reg:32
このレポートは、顧客アカウント、契約、サービスの階層を表すツリー構造になっています。移行後のテストが失敗するごとに、ログにエントリが 1 つ作成されます。これには、失敗の詳細および潜在的な問題の検証/解決手順が記述されています。
移行後のテスト
ウェブサイト
移行したドメインごとに、以下の項目がチェックされます。
- ホームページのアドレス
- Plesk 経由でインストールされたウェブアプリケーション
- ホームページ上の相対リンクの「
http(s)://DOMAIN/RELATIVE_URL
」形式のアドレス
各ウェブサイトにつき、移行元サーバと移行先サーバから index ページが要求されます。index ページの内容が解析され、同じドメインをポイントする <a href="RELATIVE_URL"> 形式のすべての相対リンクがチェックされます。このプロセスを高速化するために、ディレクトリと拡張子ごとにリンクがグループ分けされ、各グループからリンクが 1 つ無作為に選ばれてチェックされます。例えば、http://DOMAIN/pages/about.php
と http://DOMAIN/pages/contacts.php
がいずれも index ページにある場合、どちらかのリンクのみがチェックされます。
選ばれたリンクにつき、移行元サーバおよび移行先サーバの適切なアドレスに要求が送信されます(HTTP コード 301 および 302 でのリダイレクトのフォローをチェックします)。HTTP エラーがないか確認するために、作成されたウェブページが解析されます。以下の条件がすべて満たされた場合に、テストは成功とみなされます。
- HTTP(S) ステータスコードが同じである。
- HTTP(S) ステータスコードがエラーを示す 4xx や 5xx ではない(パスワード保護されたディレクトリに対して使用されたコード 401 には例外が生成されます)。
- 両ドキュメントの HTML
<title>
タグが同じであるか、存在しない。
これらを満たさない場合、テストは失敗とみなされます。
メール
移行されたドメインごとに、移行元サーバ上に存在するすべてのメールアカウントが移行先サーバにも存在している必要があります。以下のテストが実行されます。
- 移行されたドメインごとに、移行元サーバ上のメールアカウントのリストが移行先サーバと比較され、メールアカウントに抜けがないことが確認されます。
- 移行された各ドメインに属するメールアカウントごとに、移行元サーバと移行先サーバの両方で、メールボックスへの SMTP、POP3、IMAP 経由のログインが実行され、アクセスできることが確認されます。続いて、移行元サーバ上のメールボックス内のメッセージ数が移行先サーバのメッセージ数と比較されます。メッセージ数の差が 6 通以上になるとエラーが報告されます。
DNS
移行されたドメインごとに、すべてのリソースレコードが移行元サーバから移行先サーバへ移管されている必要があり、移行元サーバ上の IP アドレスが IP マッピングルールに従って移行先サーバ上の IP アドレスに置き換えられている必要があります。以下のテストが実行されます。
- 移行されたドメインごとに、移行元サーバのメイン DNS レコードのリスト(A、AAAA、MX、CNAME など)が移行先サーバと比較され、レコードに抜けがないことが確認されます。
- 移行されたドメインごとに、移行先サーバからメイン DNS レコードのリストが取得され、レコードが移行先サーバ上の IP アドレスに解決できることが確認されます。
データベース
移行されたドメインごとに、移行元サーバ上に存在するすべてのデータベースが移行先サーバにも存在している必要があります。以下のテストが実行されます。
- 移行元サーバ上のデータベースごとに、移行先サーバにこのデータベースが存在して Plesk に登録されていることが確認されます。
- 移行されたデータベースごとに、移行元サーバ上のデータベースユーザのリストが移行先サーバと比較され、データベースユーザに抜けがないことが確認されます。さらに、移行先サーバ上のデータベースユーザごとに、認証の試行が行われます。
- 移行されたデータベースごとに、移行元サーバ上のデータベーステーブルのリストが移行先サーバと比較され、データベーステーブルに抜けがないことが確認されます。
システムユーザ
移行されたドメインごとに、移行元サーバ上に存在するすべてのシステムユーザ(サーバに FTP または SSH / RDP 経由で接続できるユーザ)が移行先サーバにも存在している必要があります。以下のテストが実行されます。
- 移行されたドメインごとに、移行元サーバ上のシステムユーザのリストが移行先サーバと比較され、システムユーザに抜けがないことが確認されます。
- システムユーザごとに、移行先サーバへのログインが FTP および SSH 経由で実行されます(Plesk for Linux のみ)。Windows システムユーザの場合、"Remote Desktop Users" グループのメンバーシップが確認されます。