(Plesk for Linux) Plesk での HTTP/3 サポート
HTTP/3 は、World Wide Web 上で情報を交換するために使用される HTTP (Hypertext Transfer Protocol) の 3 番目のメジャーバージョンです。HTTP/3 は HTTP の最新バージョンであり、2015 年に導入された HTTP/2 から大幅に進歩しています。
これまでの HTTP バージョンと比較して、HTTP/3 には次の利点があります。
- HTTP/3 接続はより高速で、より安全かつ信頼性があります。HTTP/3 を使用するウェブサイトは読み込みが速く、待ち時間が最小限に抑えられます。
- モバイルデバイスを使用して閲覧するウェブサイトは、より高速に読み込まれます。HTTP/3 は QUIC 上で実行されます。この新しいトランスポートプロトコルは、モバイルネットワークの使用時や、ネットワークを頻繁に切り替えるような場合により適切に機能するように設計されています。
- HTTP/3 は最先端のテクノロジーであり、新しい標準です。ウェブサイトに早い段階で導入することで、この事実をマーケティング上の優位性として活用できます。
既知の問題、制限事項、および技術的なメモ
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HTTP/3 は nginx ウェブサーバをベースとしてサポートされています。つまり、ウェブサイトが nginx のみ、または nginx と Apache の組み合わせで提供される場合に HTTP/3 が機能します。
ご用心: HTTP/3 サポートは、nginx と Plesk の両方で実験的な機能です。悪影響が生じる可能性があるため (ウェブサイトがオフラインになるなど)、ご自身の判断で有効にしてください。
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Plesk に「Nginx web server and reverse proxy server」コンポーネントがインストールされていない場合、HTTP/3 は機能しません。この場合、ウェブサイトは Apache によってのみ提供されますが、Apache は HTTP/3 をサポートしていません。
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CentOS 7 および Ubuntu 18 上の Plesk は HTTP/3 をサポートしていません。HTTP/3 を有効にするには、OS を dist-upgrade するか、Plesk Migrator を使用して最新の OS に移行 してください。
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nginx プロキシモードが有効になっていないウェブサイトに対して HTTP/3 を有効にすると、ウェブサイトの nginx 構成ファイルに
fastcgi_param HTTP_HOST $host;
ディレクティブが自動的に追加されます。この変更は、HTTP/3 が有効になっているものの nginx プロキシモードが無効になっている場合に発生する可能性のある、中断や機能上の問題を回避するために導入されました。
Plesk サーバに対して HTTP/3 を有効にする
Plesk は、nginx または nginx と Apache を使用するホストされたウェブサイトで HTTP/3 をサポートします。HTTP/3 はデフォルトでは有効になっていないため手動で有効にする必要があります。
Plesk サーバに対して HTTP/3 を有効にするには:
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Plesk サーバに SSH 経由でログインして、以下のコマンドを実行します。
plesk bin http3_pref --enable -nginx
このコマンドは、nginx または nginx と Apache によって処理されるホストされたウェブサイトで HTTP/3 を有効にします。
注釈: HTTP/3 を有効にすると、TLS 1.3 も自動的に有効になります。
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使用しているファイアウォールに移動し、UDP ポート 443 への着信接続を許可するファイアウォールルールを追加します。
注釈: HTTP/3 は、新しいトランスポートプロトコルである QUIC 上で実行されます。つまり、HTTP/2 とは異なり、HTTP/3 は TCP (Transmission Control Protocol) ではなく UDP (User Datagram Protocol) を使用します。
Plesk ファイアウォールを使用する場合、前のステップの CLI コマンドで要求されたファイアウォール設定への変更が自動的に提案されます。これらの変更を受け入れ、HTTP/3 に必要なファイアウォールルールを有効にするには、[変更を適用] をクリックします。
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ホストされているウェブサイトで HTTP/3 が有効になっているかどうかを確認します。そのためには、サードパーティのサービス (例: HTTP/3 Check) を使用することをお勧めします。また、ブラウザの開発者コンソールで HTTP/3 のサポートを確認することもできます ([ネットワーク] タブで、データ転送に使用されるプロトコルを確認します)。
注釈: HTTP/3 を Plesk サーバに対して有効にすると、ホストされているすべてのウェブサイトでも自動的に有効になります。
ウェブサイトに対して HTTP/3 を有効/無効にする
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[ウェブサイトとドメイン] > ドメインカード > [ホスティングと DNS] タブ > [Apache と nginx] の順に選択します。
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サーバレベルで HTTP/3 を有効にすると、ホストされているすべてのウェブサイトに対してデフォルトで HTTP/3 がサポートされます。ウェブサイトに対して HTTP/3 を無効にするには、[HTTP/3 サポート] チェックボックスをオフにして [OK] をクリックします。ウェブサイトに対して HTTP/3 を再度有効にするには、[HTTP/3 サポート] チェックボックスをオンにして [OK] をクリックします。
ウェブサイトに対して HTTP/3 管理を無効にする
デフォルトで、顧客とリセラーは個々のウェブサイトに対して HTTP/3 を有効または無効にできます。Plesk 管理者は、顧客とリセラーによる変更を禁止することで、既存の HTTP/3 構成を維持することができます。
ウェブサイトに対して HTTP/3 管理を無効にするには:
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panel.ini ファイルを編集用に開きます。このファイルは
/usr/local/psa/admin/conf/panel.ini
にあります。Panel.ini Editor 拡張を使用すると、Plesk インターフェースでもファイルを編集できます。
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panel.ini
ファイルに以下の行を追加して保存します。[domainManagement] features.nginxHttp3PerDomain = false
ウェブサイトに対して HTTP/3 管理を無効にしたため、ウェブサイトの [Apache と nginx] 設定に [HTTP/3 サポート] チェックボックスが表示されなくなりました。
注釈: HTTP/3 に関連する CLI コマンドとオプションを表示するには、plesk bin http3_pref --help
を実行します。