dist-upgrade のサポート
Plesk 12.5 から、Plesk サーバで OS のアップグレードが可能になりました。以下の dist-upgrade アップグレードパスがサポートされています。
- Debian 6 から Debian 7
- Debian 7 から Debian 8
- Ubuntu 12.04 から Ubuntu 14.04
- Ubuntu 14.04 から Ubuntu 16.04(Plesk Onyx のみで可能)
注釈: 注: 現在、Ubuntu も Plesk も、Ubuntu 16.04 から Ubuntu 18.04 以降への dist-upgrade をサポートしていません。
dist-upgrade は単純なプロセスではありません。実行するには、システム管理に関する十分な経験があり、システムとコンポーネントについて理解している必要があります。
これまで dist-upgrade を実行したことがない場合は、まず以下を行うことをお勧めします。
-
テストサーバ上または仮想マシン内に以前のバージョンの OS をインストールします。OS ベンダーが提供するドキュメントの指示に従い、アップグレードを行います。
-
注釈: Debian の dist-upgrade ドキュメント によると、Debian 7 から Debian 8 へのアップグレード時に
aptitude
を使用することは推奨されません。Ubuntu で推奨される dist-upgrade の実行方法は、do-release-upgrade
ツールを使用する方法です。 -
Ubuntu 12 から Ubuntu 14 - テストサーバ上でプロセスを繰り返します。ただし、OS ベンダーのドキュメントとこの記事の手順に従って Plesk 12.5 をインストールした状態で行います。
-
潜在的な問題をすべて解決し、Plesk がアップグレード後に正しく機能していることを確認します。必ずこのことを確認した後で、本番サーバでアップグレードを行ってください。
Ubuntu 14 から Ubuntu 16 (Ubuntu 16 は Plesk 12.5 ではサポート対象外)
Ubuntu 14 から Ubuntu 16 へのアップグレード中に、OS ベンダーから提供された PHP 5.x が PHP 7.x にアップグレードされます。そのため、PHP の互換性に関する問題を回避するために、アップグレード前に、OS ベンダーから提供された PHP ハンドラ 5x を使用するすべてのサイトで適切なカスタム PHP ハンドラに切り替えることをお勧めします。詳しくは、KB 記事 KB #213382129 、 KB #213933525 を参照してください。
注釈: 注:大部分の APS アプリケーションは PHP 7.x では機能しません。
Ubuntu 14 から Ubuntu 16 への dist-upgrade を実行する
Ubuntu 14 から Ubuntu 16 への dist-upgrade を実行するには:
-
以下のスクリプトを実行し、ウィザードに従います。
# /opt/psa/bin/distupgrade.helper.ubt14-ubt16.x64.sh
このスクリプトは、すべての作業を
/var/log/plesk/install/plesk-distupgrade.log
に記録します。 -
スクリプトの実行中に、サーバを再起動するよう要求されます。サーバを再起動します。
-
サーバの再起動後に、スクリプトをもう一度実行します。
Debian 6、7 および Ubuntu 12 からの dist-upgrade を実行する
サーバをアップグレード用に準備する:
-
サーバのフルバックアップを作成します。アップグレードを開始する前に、サーバのフルバックアップを作成します。また、1 ~ 3 時間のダウンタイムが予定されていることを顧客に伝達します。
-
前回の dist-upgrade 後に残されていた可能性があるソースリストのバックアップファイルを削除することを検討します。
/etc/apt/sources.list.saved_by_plesk_distupgrade /etc/apt/sources.list.d/50sw_autoinstaller.list.saved_by_plesk_distupgrade
-
アップグレード前のヘルパースクリプト(この場合、Debian 7 から Debian 8 への dist-upgrade)を実行し、Plesk とシステムをアップグレード用に準備します。
# /opt/psa/bin/distupgrade.helper.deb7-deb8_pre.x64.sh
このスクリプトは、すべての作業を
/var/log/plesk/install/plesk-distupgrade.log
に記録します。 -
OS アップグレード中の
systemd
への切り替えを無効にします。/etc/apt/preferences.d/local-pin-init
ファイルを作成し、以下の内容にします。
# cat /etc/apt/preferences.d/local-pin-init
Package: systemd-sysv
Pin: release o=Debian
Pin-Priority: -1
dist-upgrade を実行する
-
システムパッケージに関する情報を更新します。
# apt-get update
-
システムをアップグレードします。
-
Debian の場合:
# apt-get dist-upgrade
-
Ubuntu の場合:
# do-release-upgrade
このコマンドは、システムの完全なアップグレードを実行し、すべてのパッケージの最新バージョンをインストールし、異なるリリースのパッケージ間で考えられる依存関係の変更を解決します。
アップグレード中、以下のようなプロンプトが表示される可能性があります。
-
Configuration file `/etc/mysql/my.cnf'
==> Modified (by you or by a script) since installation.
==> Package distributor has shipped an updated version.
What would you like to do about it ? Your options are:
Y or I : install the package maintainer's version
N or O : keep your currently-installed version
D : show the differences between the versions
Z : start a shell to examine the situation
The default action is to keep your current version.
*** my.cnf (Y/I/N/O/D/Z) [default=N] ?
Y を選択し、構成ファイルを新しいものに置き換えることを選びます。
アップグレードを終了する
-
アップグレード後のヘルパースクリプトを実行します。
# /opt/psa/bin/distupgrade.helper.deb7-deb8_post.x64.sh
このスクリプトは、すべての作業を
/var/log/plesk/install/plesk-distupgrade.log
に記録します。 -
/etc/apt/preferences.d/local-pin-init
ファイルを削除し、systemd-sysv
パッケージをインストールします。# rm -f /etc/apt/preferences.d/local-pin-init # apt-get install systemd-sysv
-
サーバを再起動します。
-
Plesk とそのすべてのサービスが機能していることを確認します。