Plesk は PHP スクリプティング言語に完全対応します。つまり、複数の PHP バージョンやハンドラタイプを追加設定なしでサポートします。このトピックでは、Plesk 管理者が顧客に対して PHP を使用可能にする方法と、Plesk 管理者が顧客の管理できる PHP 設定をコントロールする方法を説明します。

ドメインで PHP を使用するためには、契約レベルで PHP を有効にする必要があります。契約がサービスプランをベースにしている場合、サービスプランで PHP を有効にして PHP 設定を構成することをお勧めします。たとえば、「基本」プラン、「アドバンスト」プラン、「エキスパート」プランを作成して、「基本」プランは契約者が PHP 設定を管理できないように構成し、「アドバンスト」プランは契約者がある程度管理できるように構成し、「エキスパート」プランは完全に管理できるように構成します。

サービスプランと契約のセットアップにおいて、PHP 関連では以下の作業を行います。

  • PHP 設定を構成する
  • パーミッションをセットアップする。パーミッションは、契約者が管理できる PHP 設定を定義します。

複数の PHP バージョン

ほとんどの PHP バージョンには後方互換性がありません。たとえば、PHP 5.x で記述されたコードは、PHP 4.x インタープリタを使用して実行すると正しく実行されません。柔軟性を増すために、Plesk には多数の PHP バージョンが付属しており、Plesk インターフェース経由で インストール可能 です。「PHP バージョンおよびハンドラの管理」パーミッションが付与された顧客は、個別のウェブサイトに対して PHP ハンドラとバージョンを選択できます。

PHP 設定を構成する

サービスプランの PHP 設定を構成するには、[サービスプラン][プランを追加]をクリックするか、PHP 設定を変更したいプランの名前をクリックし、[PHP 設定]を選択します。契約の PHP 設定を構成するには、[契約][契約を追加]をクリックするか、PHP 設定を変更する契約の名前をクリックし、[カスタマイズ]>[PHP 設定]を選択します。このページでは以下の作業が可能です。

  • 使用する PHP バージョンとハンドラタイプを定義する。この設定はサービスプランレベルでのみ可能です。

  • 事前定義された PHP 設定の範囲を構成する。これらの設定は、主にパフォーマンスとセキュリティに関連するものですが、一部はウェブサイトの機能に関係します。オプションの横の image 75147 アイコンをクリックすると説明が表示されます。

  • 任意の PHP 設定を構成するには、PHP 設定を[追加ディレクティブ]セクションに入力します。php.ini と同じ構文を使用してください。たとえば、mSQL 拡張を自動的に読み込むには、「extension=msql.so」という行を追加します。

    注釈: 追加 PHP ディレクティブの設定は管理者のみが実行できる機能であり、顧客が実行することはできません。管理者が特定の契約の追加 PHP ディレクティブを設定するとき、この契約は「ロック済み」ステータスになりません。そのため、契約をサービスプランと同期すると、追加ディレクティブと PHP 設定のその他の変更が失われる可能性があります。

これらの設定は、下位レベルのオブジェクトのデフォルトとなります。つまり、サービスプランレベルで構成した設定はこのサービスプランをベースとするすべての契約のデフォルトとなり、契約レベルで構成した設定はこの契約をベースとするすべてのドメインのデフォルトとなります。

パーミッションをセットアップする

サービスプランの PHP 設定を構成するには、[サービスプラン][プランを追加]をクリックするか、PHP 設定を変更したいプランの名前をクリックし、[パーミッション]を選択します。契約の PHP 設定を構成するには、[契約][契約を追加]をクリックするか、PHP 設定を変更したい契約の名前をクリックし、[カスタマイズ]>[パーミッション]を選択します。このページでは、以下のパーミッションによって PHP 設定の変更が制御されます。

  • 共通 PHP 設定管理:このパーミッションを付与すると、顧客が PHP バージョンを選択し、事前定義されたさまざまな共通 PHP 設定を管理できるようになります。
  • ホスティングパフォーマンス設定の管理:このパーミッションを付与すると、顧客がパフォーマンス関連の PHP 設定を管理できるようになります。
  • PHP バージョンおよびハンドラの管理:このパーミッションを付与すると、顧客が PHP バージョンと PHP ハンドラタイプを選択できるようになります。
  • プロバイダのポリシーをオーバーライドする潜在的に安全ではないウェブスクリプトオプションのセットアップ:このパーミッションを付与すると、顧客がウェブサイトの分離性に関連する設定を管理できるようになります。

これらのパーミッションの一部は、あらかじめ「ホスティング設定管理」パーミッションを付与しなくても付与することができます。

PHP 設定の継承について

Plesk ではローカルな設定がグローバルな設定より優先されます。つまり、契約レベルで定義した設定は、サービスプランレベルで定義した設定よりも優先度が高い反面、ドメインレベルで定義した設定によりも優先度が低くなります。

注釈: 契約の PHP 設定を変更すると、この契約の所有者が変更を加えるパーミッションを持つ場合を除き、この契約の同期はロックされます。

以下の図は、最上位レベルから最下位レベルまでの階層を示しています。

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