ディスクスペース使用量の計算について
Plesk ユーザが契約を作成すると、Plesk はこのエンティティのディスクスペース使用量の計算を開始します。消費されるディスクスペースは、以下のタイプに分類されます。
- (常に含まれる)ウェブサイト、FTP、ウェブユーザのコンテンツ(ログファイルと統計レポートを含む)
- データベース
- リモートデータベース
- メールボックス
- Java アプリケーション
- メーリングリスト
- 契約のバックアップファイル
- サーバレベルバックアップの一部である契約バックアップ
このセクションでは、Linux 版と Windows 版の Plesk でこうした各カテゴリのディスクスペース使用量がどのように計算されるかについて説明します。ディスクスペースの計算にオプションを適用するか、除外するには、[ツールと設定] > [サーバ設定]ページで設定できます。
ディスクスペース使用量の合計は、[ツールと設定] > [概要レポート]で確認できます。概要レポートには、すべての契約によるディスクスペース使用量の合計が表示されます。
契約ごとのディスクスペース使用量を参照するには、[契約]に移動し、契約名をクリックして、クラシックリストビューモードに切り替えます( アイコンをクリックし、[クラシックリスト]を選択します)。メインドメインと追加ドメインおよびサブドメインのディスクスペース使用量が[ディスク使用量]列に表示されます。
サブドメインおよび追加ドメインのコンテンツが占有するディスクスペースが、メインドメインに対して計算されるディスクスペース使用量の値に加算されます。
サブドメインおよび追加ドメインに対して計算されるディスクスペース使用量は少ない場合が多く、ドメインの構成やログなどのシステムファイルのみが含まれています。
変数
このセクションでは、説明をわかりやすくするために、次の変数を使用します。
-
HTTPD_VHOSTS_D
:仮想ホストのディレクトリの絶対パス -
CATALINA_HOME
:Tomcat インストールディレクトリの絶対パス -
PRODUCT_ROOT_D
:Plesk インストールディレクトリの絶対パス -
PLESK_MAILNAMES_D
:メールボックスのディレクトリの絶対パス -
PGSQL_DATA_D
およびMYSQL_VAR_D
:それぞれ、MySQL および PostgreSQL データベースのディレクトリの絶対パス
変数の値は OS に応じて異なります。Linux では /etc/psa/psa.conf
で値を参照できます。
ウェブサイト、コンテンツ、匿名 FTP コンテンツ、ウェブユーザのコンテンツ
このカテゴリのコンテンツは、ディスクスペース使用量の計算に常に含められます。
Windows では、ウェブサイトコンテンツのサイズを %plesk_vhosts%\<domain_name>
ディレクトリの合計サイズから以下のディレクトリを差し引いて計算します。
%plesk_vhosts%\<domain_name>\anon_ftp
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\anon_ftp
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\anon_ftp
%plesk_vhosts%\<domain_name>\web_users
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\web_users
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\web_users
Linux では、ウェブサイトコンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/cgi-bin
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/error_docs
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/httpdocs
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/<subdomain_name>
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/<addon_domain_name>
HTTPD_VHOSTS_D/system/<domain_name>/pd
Windows では、匿名 FTP コンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
%plesk_vhosts%\<domain_name>\anon_ftp
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\anon_ftp
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\anon_ftp
Linux では、匿名 FTP コンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/anon_ftp
Windows では、ウェブユーザのコンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
%plesk_vhosts%\<domain_name>\web_users
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\web_users
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\web_users
Linux では、ウェブユーザのコンテンツのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/<domain_name>/web_users
注釈: 上記のディレクトリにハードリンクが含まれている場合、各リンクのサイズは、リンクインスタンスの数にかかわらず一度だけ計算に含めます。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、ウェブサイト、FTP、ウェブユーザのコンテンツを WEB_CONTENT
と表記します。
ログファイルおよび統計レポート
Windows では、統計レポートのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
%plesk_vhosts%\<domain_name>\.plesk\statistics
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<subdomain_name>\.plesk\statistics
%plesk_vhosts%\<domain_name>\<addon_domain_name>\.plesk\statistics
Windows では、ログのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
%plesk_vhosts%\<subscription_name>\logs
Linux では、ログとレポートのサイズは以下のディレクトリの合計サイズとなります。
HTTPD_VHOSTS_D/system/<domain_name>/statistics
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、ログとレポートの合計サイズを LOG_AND_STAT
と表記します。
データベース
データベースのサイズは、ウェブサイトごとに計算した後で、合計サイズに集計されます。
Windows では、MySQL データベースのサイズは、SHOW TABLE STATUS FROM <db_name>
クエリでのデータ長とインデックス長の合計です。
MS SQL データベースのサイズを取得するために、システムは特定のウェブサイトの各データベースに対してクエリ exec sp_databases
を実行して、その結果を合計したものに 1024 を掛けます。
Linux では、PostgreSQL データベースのサイズは PGSQL_DATA_D/base/<db_oid>
ディレクトリの合計サイズとなります。ここで db_oid
とは、特定のウェブサイト下にあるデータベースの OID です。
Linux では、MySQL データベースのサイズは MYSQL_VAR_D/<db_name>
ディレクトリのサイズとなります。ここで db_name
とは、特定のウェブサイト下にあるデータベースの名前です。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、データベースの合計サイズを DATABASES
と表記します。
リモートデータベース
リモートホストのデータベースをディスクスペース使用量の計算に含めることができます。Linux では、リモート MySQL データベースのみを含めることができます([リモート MySQL データベース]オプション)。Windows では、あらゆる種類のリモートデータベースを計算に含めることができます([リモートデータベース]オプション)。
メールボックス
ウェブサイトごとのメールボックスサイズは、各メールボックス用のディレクトリの合計サイズです。メールボックスへのパスは、メッセージ転送エージェント(MailEnable など)に応じて異なります。
- (Windows、MailEnable)
<mailbox_dir>\<domain_name>\MAILROOT\<mailbox_name>
。mailbox_dir
は Windows レジストリHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Mail Enable\Mail Enable\Connectors\SF
に保存されます。 - (Windows、SmarterMail)
<mailbox_dir>\Users\<mailbox_name>
。mailbox_dir
はsvcDomainAdmin
ウェブサービスのGetDomainSettings
メソッドを呼び出して取得します。 - (Linux)
PLESK_MAILNAMES_D/<domain_name>
。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、メールボックスの合計サイズを MAILBOXES
と表記します。
Java アプリケーション
Windows では、Java アプリケーションの合計サイズは CATALINA_HOME\psa-wars\<domain_name>
ディレクトリのサイズとなります。ここで CATALINA_HOME
は、Windows レジストリの HKLM\SOFTWARE\Apache Software Foundation\Tomcat\<Tomcat_version>
の InstallPath
パラメータの値です。
Linux では、Java コンテンツのディレクトリは CATALINA_HOME/psa-wars/<domain_name>
です。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、この合計サイズを JAVA_APPS
と表記します。
バックアップファイル
Linux では、バックアップのサイズは以下のユーティリティ呼び出しによって取得されます。
PRODUCT_ROOT_D/admin/bin/pmm-ras --get-domain-dumps-disc-usage --domain-guid <domain_guid> \
--session-path PRODUCT_ROOT_D /PMM/logs
管理者が、サーバレベルのバックアップでネストされているウェブサイトバックアップをユーザクォータから除外するように指定すると、ユーティリティは追加オプション --skip-server-dumps
付きで実行されます。
Windows では、バックアップのサイズはキャッシュされ、ファイル名 size_xxxxxx
の size_
に続く数字の合計となります。この size_
ファイルは %plesk_dir%Backup\<backups_dir>\<domain_name>\.discovered\*\
に保存されています。
backups_dir
は、以下のディレクトリです。
/domains
- バックアップが管理者に所有されている場合。
/resellers/<reseller_username>/domains
- ウェブサイトの所有者がリセラーである場合。
/resellers/<reseller_username>/clients/<customer_username>/domains
- ウェブサイトの所有者がリセラーの顧客である場合。
/clients/<customer_username>/domains
- ウェブサイトの所有者が管理者の直下の顧客である場合。
%plesk_dir%Backup\dumps_dir\<domain_name>\.discovered\*\ownertype_server
ファイルが存在する場合、サーバレベルのバックアップでネストされるウェブサイトバックアップのサイズはディスクスペース使用量に加算されません。
ディスクスペースの合計使用量の計算式では、バックアップサイズを BACKUPS
と表記します。
ディスクスペースの合計使用量を計算する
ディスクスペースの合計使用量の計算式は、次のようになります。
TOTAL = WEB_CONTENT
+ LOG_AND_STAT
([ツールと設定] > [サーバ設定]で[ログファイルおよび統計レポート]オプションが選択されている場合)
+ DATABASES
([データベース]オプション(Linux)、[MySQL データベース]、[Microsoft SQL データベース]に応じる)
+ MAILBOXES
([メールボックス]オプションが選択されている場合)
+ JAVA_APPS
([Java アプリケーション]オプションが選択されている場合)
+ BACKUPS
([ドメインバックアップファイル]オプションが選択されている場合。値は[管理者が作成したバックアップファイル]に応じる)
ここでの各プレースホルダ(例: WEB_CONTENT
)は、それぞれのカテゴリの合計です。