Apache ウェブサーバ（Linux）

Plesk for Linux では、ウェブサイトのホスティングに Apache HTTP サーバ （http://httpd.apache.org/） が使用されます。Apache は、それ自体がウェブサイトで動作するのではなく、仮想ホスト（IP アドレスまたはホスト名で指定されたウェブリソース）を管理します。サイトを作成すると、Plesk によって新しい仮想ホストが Apache に追加され、ウェブサーバ経由でサイトを利用できるようになります。

デフォルトで、ウェブコンテンツを配信するときのパフォーマンスを向上させるために、Apache は別のウェブサーバ（nginx）で補完されます。Plesk で Apache を nginx と統合する方法および Apache をスタンドアロンサーバにする方法について詳しくは、「Apache と nginx」を参照してください。

デフォルトのウェブサーバ設定

システムのあらゆる仮想ホストの Apache 構成は、/etc/httpd/conf/httpd.conf ファイルで定義します。仮想ホストの構成ファイルは、構成ファイル階層の最下位レベルにあります。さまざまなレベルで include ディレクティブを使用した包含を行うと、これらのファイルが Apache 構成ファイル（last_httpd.conf）に追加されます。nginx ウェブサーバも同様に構成されます。さまざまなレベルで包含を行うことで、すべての仮想ホストの構成ファイルが /etc/nginx/nginx.conf ファイルに追加されます。構成ファイルの階層については、『上級管理者ガイド』の「Web Server Configuration Files」（※英語）を参照してください。

システムの各仮想ホストには、その仮想ホストのデフォルトの Apache 構成および nginx 構成を定義する、last_httpd.conf および last_nginx.conf という 2 つのファイルがあります。これらのファイルは、/var/www/vhosts/system/<ドメイン名>/conf/ にあり、構成テンプレートに基づいて自動的に生成されます。したがって、デフォルトのウェブサーバ構成を変更する場合は、これらのテンプレートファイルを調整する必要があります。テンプレートファイルの調整方法については、『上級管理者ガイド』の「Changing Virtual Hosts Settings Using Configuration Templates」（※英語）を参照してください。

カスタムのウェブサーバ設定

ウェブサイトの所有者は、デフォルト構成では提供されていないカスタムウェブサーバ機能を必要とする場合があります。例えば、特殊なタイプのインデックスファイルを使用する場合や、IP アドレスによるサイトへのアクセス制限を行う場合が挙げられます。特定の顧客に対してカスタムウェブサーバ機能を設定するには、デフォルト構成を変更します。

デフォルトのウェブサーバ構成は、次のレベルで変更することができます。

• サービスプラン

  サービスプランレベルで定義された構成は、デフォルト構成よりも優先されます。特定のサービスプランに対して Apache および nginx の任意のディレクティブを設定することができます。これらの設定は、Plesk データベースに保存され、すべての顧客（プラン契約者）のウェブサイトにデフォルトで適用されます。詳しくは、「ウェブサーバ（Apache）」を参照してください。

• ウェブサイト（仮想ホスト）

  カスタム仮想ホスト（ウェブサイト）構成は、サービスプランで定義された構成よりも優先されます。特定のウェブサイトに対して Apache および nginx ディレクティブを設定すると、ディレクティブは /var/www/vhosts/system/<ドメイン名>/conf/ 内の vhost.conf、vhost_ssl.conf、vhost_nginx.conf の各ファイルに保存されます。

  ウェブサイト（仮想ホスト）のウェブサーバ設定は、次の 2 とおりの方法で構成することができます。

  • 顧客パネルで設定を指定する。変更を保存すると、仮想ホスト構成ファイルに、対応するディレクティブが作成されます。詳しくは、「仮想ホストの Apache 設定を調整する」および「仮想ホストの nginx 設定を調整する」を参照してください。
  • 構成ファイルを手動で編集する。詳しくは、『上級管理者ガイド』の「Virtual Host Configuration Files」を参照してください。

    注：Apache および nginx のカスタム構成ファイルを手動で追加または変更できるのは、Linux の root ユーザのみです。

  ウェブサイト設定は、選択したウェブサイトでのみ有効となり、デフォルトの設定およびサービスプランレベル設定の代わりに使用されます。

ウェブサーバ設定の階層は以下の図のようになっています。